2011年03月09日

“工業萌え”アーティストさん、大募集

 年末年始の暇な時期に、友人のアドバイスを得て考えている街おこし企画があります。そのタイトルは「SUWA FACTORY ART PROJACT」。

 諏訪地方、特に僕の生まれ育ち、今も暮らしている街、岡谷市は、映画「ああ、野麦峠」で有名な製糸業からきれいな水をベースに精密工業が発展し、その昔、東洋のスイスと呼ばれた街です。今は不景気であったり、工場などの海外流失であったり、若者の流出であったり、さまざまな問題を抱えています。

 まあ、素人考えと言われればその通りなのですが、ヨーロッパなどの行政は、今や産業振興よりは、文化に予算をさき、アーティストのパワーによって街の活性化を図っているわけで、いち地方の小さな街でも基幹産業が落ち込んでいるのだから今まで通りではなく発想の転換を図るべきだと思ったわけです。「工業は芸術だ」をキャッチフレーズに、昨今の“工業萌え”“精密工業萌え”“工場見学”のささやかなブームを、諏訪地方に集中させることはできないだろうか、というのが今度のプロジェクトです。


 面白いことに、諏訪湖を中心に、諏訪には16もの美術館が点在しています。産業ロボットメーカーの創業者によるハーモ美術館、時計をベースにした時の科学館 儀象堂、諏訪湖オルゴール博物館 奏鳴館、パルプの北澤美術館 などなど、地方の基幹産業での有名会社が設立した美術館が数多くあります。岡谷蚕糸博物館は、製糸業のあれこれを展示したものです。こうした環境と、温泉や酒蔵、味噌といった観光資源、さらには観光アートブーム(大地の芸術祭、瀬戸内国際芸術祭などなど)が僕の頭のなかで適度に融合されてきました。





マサノヴァアートさんのサイトよりお借りしました。
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Posted by いちこ米at 08:36
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2011年02月15日

雪の美しさの中に悲しさあり~トンガさんを知っている方へ~





 降り積もりましたね。ゆうべ、松本から岡谷に帰ってくるのに、2時間弱かかりました。僕の車は(僕の熱い息のせいか?)すぐに曇ってしまうので、二車線のどこを走っているのか分からなくなってしまって、後ろの車の方にとっても迷惑なわけでして。チェーンの着脱場に避難しようにも、雪のなかにズボボボボってな状況でした。

 先日は、夜の山麓線を走っているときに、粉雪の嵐のなかに放り込まれたのですが、なんだかファンタジーの世界に紛れ込んだような不思議な感覚に陥ったこともありました。楽しかった。運転はしていなかったので、気楽なもんです。


 実は、今日は、朝4時台のバスで東京に向かうつもりでした。新宿から埼京線にのって、大宮で乗り換えて、埼玉県の上尾にいって、友人のお葬式に参列しようと思っていました。ところが、バス会社から朝3時45分に携帯に電話があって、「岡谷インター閉鎖」「最寄りのバス停にはいきません」「全線チェーン規制は初めてです」「いつもより大分時間がかかる見込み」「休憩も増えるでしょう」などなど、ネガティブな言葉が並びます。東京の交通網も乱れているだろうし、もともと式の開始時間ギリギリに到着するスケジュールでしたので(日帰りはそれしか手段がないんですけど)、残念ながら式への不参加を決断をしたわけです。
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Posted by いちこ米at 10:42
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2011年02月07日

三重県文化会館に視察にいきました

 松本にもどってきて、意外に知らなかったことの一つは、名古屋が近いこと。特急しなので2時間でいきます。広島まで4時間です。昨日の三重県文化会館は、津駅ですので、名古屋から1時間でいきます。東京にだけいるとわからんもんですね(笑)。


 三重県文化会館になぜ、足を運んでいたかというと、ここは県立の公共ホールにもかかわらず、24時間使用可能な稽古場があるんです。それで東京の注目の若手劇団を呼んで、ワークショップやら作品づくりやらをやっているんですね。






 バックステージには畳があって、自炊設備があって、ふとんはリース。もちろんシャワーは劇場だからありますね、浴槽はないけれど。そう、はっきりは書けませんが(笑)、まあそういうことなんです、24時間使えるってことは。この日、実際、公演をしていたハイバイのメンバーにそのあたりを聞いたら、これが結構快適なんだそうです。ホテルから劇場までの移動がないのもラクチンだとか。

 劇場にとっても経費節減になるし、お客さんにとっては東京の最先端の演劇が見られるし、劇団にとっては地方公演ができる。みなにとって、ステキなシステムなのです。それを余所が実現するのは難しいと思うんですけど、そのことの効果は、やっぱり、口コミで、小劇場界に「三重県文化会館はすごい、元気だ」というイメージが伝わるわけです。これがすばらしい。

 ご担当の松浦さんには、そのほか、さまざまな取り組みについてうかがいました。運営する財団のプロパーで、決して演劇が好きだったわけではない方が、ここまでやれるのがすごい。むしろ、外部から来た人だからこそ、考え、動けたのかもしれません。
 そういう意味でいいますと、マーケティングなんて言葉もなかなか使われることのないジャンルですからね。
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Posted by いちこ米at 13:00
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2011年02月05日

三谷龍二さんの隠れ家にいってきた

 松本駅のそば、今町の路地をちょいとはいったところに、木工デザイナーの三谷龍二が隠れ家をつくられた。そこに簡単な打ち合わせで寄せてもらいました。ワインでも片手に持っていったら似合いそうな、シンプルで、素敵な空間。3月中旬が正式オープンだそうだから、まだ場所も明かせませんが、三谷さんの作品を購入できる土間(とは違うか)と、奥に小さなカフェのような、気の置けない仲間たちと集まったら楽しそうな空間がある。おされ(笑)。








 その建物に目をつけて、隠れ家につくりかえるまでにおよそ5年かかったそうだ。建物のオーナーさんはさほど建物の価値をそれほど気になさっていらっしゃらなかったそうだけど、その“モダン”なたたずまいを気にいった三谷さんが、時間をかけて、重要性を説いたのだそうです。おだやかな人柄で、世の中的には超が付きそうな有名人ではありますが、そうそう簡単にいかなかったのだ。








 三谷さんは言います。
「こういう素敵で、時代を感じさせる建物は、大事に保存してはいけないと思うんですよ。現代の空間に生かせるように使っていかないと」




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Posted by いちこ米at 18:46
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2011年01月13日

ああ、申し訳なくて申し訳なくて

 年始、ソフトバンクさんのキャンペーンにのかってiPadを手に入れました。iPadそのものの料金がかからない代わりに、ソフトバンクさんと最低2年契約するというもの。ま、携帯を契約する際に、よくある方法ですね。

 暇な時間にちょこちょこiPadで遊んでいました。いじらないと覚えられないこと手のものは本当は面倒臭いなと思うほうなのですが、僕が基本的に使いたいと思っていたのは、文章を書くこと、メールをすること、インターネットを見ることでしたので、アプリがどうのこうのというのはどうでもいいんです。つまり、出張に持って行く!というのが大前提だったんです。


 先日、東京へ日帰りする用事がありました。そのために、気軽にiPadを持って家を出ました。便利便利、メールもけっこうつながるし、なんといっても軽い。これはいい。







 ところが、帰宅後にさっそく立ち上げたiBookが起動しなくなってしまったではありませんか! 僕がベッドの上に寝っ転がって原稿を書くとき、出張のときには必ずバッグに入れて持ち歩いていた、前の会社でムック本を発行するために年末年始も泊まり込んでいたとき、常にお世話になっていたiBook G4が……。
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Posted by いちこ米at 09:24
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2011年01月03日

明けました、おめでとうございます

明けました、おめでとうございます。
本年もよろしくお願いいたします。







皆様におかれましては、この年末年始どんなふうにお過ごしでしょうか。なんにも予定がないお正月。きっとやっておいたことがあるのでしょうが、ホントになにもせずに過ごしております。東京から実家に引っ越してきて1年と10カ月、ろくろく部屋の掃除もしていなかったもんですから、この暇な時期にと、なかなか進まないものの片付けはしました。部屋の窓際はゴミ袋が占拠しております。あ、僕の年賀状もゴミ袋です。
あとは、散剤してしまったデジタルテレビ(展示品を15カ月の分割で)、ipad(本体料金サービスのソフトバンクの企画セールで)、もらいっぱなしで手をつけていないワインや日本酒に相手をしていただいています。とくにデジタルテレビでは、どうやら衛星放送のほうが自分好みの番組が多いようで、たくさんの番組を録画予約して楽しんでいます。いつ見るのだか。でも、操作しているのが楽しいです。


それにしても、何も予定がない年末年始というのも、死ぬほどとまでは言いませんが、相当につらいものです。これが東京でしたらふらりと電車にのって街をてくてく歩くのですが、地方ですと、なかなかそうもいきません。初詣とか行けばいいのに。別にワーカーホリックの気があるというわけではないのですが、どうも何もないというのが落ち着かないのです。
これは元来の、〆切など追いつめられなければ動けないという性格とよく似ている気がします。〆切がないと動けない、つまり予定がないと今度は困ってしまうという。なんとも因果なものです。


話は前後しますが、昨年末、本当にあと二日通えば休みというところで、車のさきっちょに当てられてしまいました。実は昨年は夏に自分でぶつけてしまったのですが、そのときの相手の方がすごくよい方でしたので、当てられたからといって文句は言わない良い人でいる僕です。ましてや赤ちゃんを抱きかかえた若いお母さんではどなりたくても、どなれません。別にケガもないし、やってしまったことをどなっても仕方ないんですけどね。信号のないT字路が現場で、僕はセンターラインのある優先道路を40キロで走っていました。で、対向車の残像の向うに右折しようとしている車が見えたとき、運転していた若いお母さんがこっちを見ていなかったので、出てきたらいやだなあと思っているうちにぶつかってしまいました。まあ、自分の車を止められなかった僕もダメなようで、こういう状況を判例に照らし合わせると、7対3で僕にも少し責任があるようです。前回の事故以来、周りがバンバン走っているなかでも、なるべくその誘惑に流されないように走っていたつもりでしたので、ショックでした。何があるかわからない、再びこの思いを肝に命じて生きなければなりません。
何があるかは分からないと言えば、同い年の友人が、海老蔵さんと入れ替わりで虎ノ門病院へ入院したのです。もう退院しましたが、ガンだったそうです。幸い手術は成功しましたが、ふだん呑んだ暮れていた友人なので、なんだか点滴ですっかりスリムになった彼の姿にいろいろ諭されました。
事故に関しても、この友人のガンに関しても、自分だけは大丈夫という根拠のない自信はもたないほうがいいという教訓を授かったようです。
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Posted by いちこ米at 09:18
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2010年12月26日

もう誰も覚えていちゃくれないだろうな

 って思うほど、久しぶりの更新。や、書こうもんならがんがん書けるネタいっぱいでしたけど、なんとも忙しくて、ここまで年末になってしまいました。
 誰も読んでくれないだろうな(笑)。って、ブログのタイトル変えちゃおうかな。初登場のふりしちゃおうかな。できない約束はしませんけど、またちょぼちょび書き始めてみます。

 さて、今まで食べたなかで、いっちばん美味しい大学いもに出会いました。驚きのうまさ。岡谷の東銀座にある、ハニーフライドポテトさんというお店の「みついも」です。



 と思ったら、結構有名店だったんだね。お店は、さつまいものある冬だけ営業されているんだそう。いわゆる大学芋のように、蜜にまったりくるまれいる外観とはちょっと違う。指でつまんで食べても、全然べとつかない。そして、表面はカリッとしていて、一口かじると、マッシュドポテトのような食感。めずらしくないですか?

 この前、お土産にいただいて温かい部屋に置いておいたら、また別の味わいが。食べていると、知らず知らずのうちに手のひらのうえに蜜がたまっていた。そうそう、じゅわ〜っと肉汁が染みでる小龍包のように。

 こんなステキなお店が岡谷にあったんだな。この冬は、何度も通いそうだ。

 それにしても、食べ物の説明がうまくないものだ。うまそうに感じられないから困る。
 アップしてみたら、みついもの写真じゃないじゃん、まったく。それでは、みついもです↓





Posted by いちこ米at 22:46
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2010年11月02日

ブックパッカーでなごみ

 みなさん、ブックパッカーってご存知ですか?

 「みんなで本を持ち歩き、集まって、本の話をします。本の中身を話しはじめるひともいれば、本とのエピソードを語りはじめるひともいます。まだ読んでないのに、装丁や紙の匂いにうっとりしてやたらと自慢してくるひともいるかもしれません。でもそれでいいのです。本を読むことよりも、まず、本と出会うことを楽しみたい。そこでわいてくるよろこびやきもちのよさを味わう、ブックパッカーはそういう集まりです」
 東京から引っ越してきて、松本でこんな活動をしている方がいます。ウチダゴウさん。この間、彼のお店にいって、こ一時間雑談をし、僕に合いそうな本を選んでいただきました。500円なり(笑)





 ウチダさんは詩人なのだそう。そこんとこはあまり聞かなかったけど、時々、カフェなんかで10人くらいの方とブックパッカーのイベントを開いている。そのほか空き時間を利用して1対1のお相手もしてくださるそう。全国をいろいろ回って、拠点を松本にしたという。
 ここを訪れる方々は、グループで雑談をする人、好きなイスに座ってただひたすら本を読む人、僕のようにウチダさんと雑談する人、さまざまなのだそうだ。そのために本をあまり置かずにゆるい空間にしているのだという。









 この赤いキャラクターが、ウチダさんのブックパッカーのトレードマーク。しおりにもなっている。




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Posted by いちこ米at 10:30
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2010年09月27日

BONちゃんがやってきた

 少し前のこと、名刺デザイナーのBONちゃんこと、BON山本さんが松本にやってきた。

 BONちゃんとは、東京のゴールデン街で出会った。僕のなじみの店の店長たちが、正方形のイラスト名刺をもっていて、僕もほしくなったのだ。表は、普通、裏は、裸の後ろ姿。これは名刺の主が、男性であっても女性であっても同じ。かわいらしい。






 BONちゃんと出会う時はいつも、お互い3件目くらいで、僕よりも、BONちゃんのほうがいつもベロベロだったりする。でもお酒も明るくていい呑み方だ。

 今回、BONちゃんがやってきたのは、自転車で日本一周している途中だった。名刺の営業をしながら、時折、新宿に戻っては、二週間くらい戻って仕事をしては、また自転車旅行に出かけていくのだそうだ。







 日に焼けて健康そうなBONちゃんは、ゴールデン街で会うのとはまるで違っている。こんなかっこいい人だったのか。って、この日が会うのはまだ3回目なんだけど。
 「なんか頑張りすぎちゃってたんだよね。」
 それが、自転車旅行に出るきっかけだったそうだ。たしかに。今のほうがずっといいよ。
 その晩、彼は、松本駅の軒下に泊まって、朝、颯爽と東京に帰っていた。泊めてやれってか? 寝袋とか持っているし、なんか泊めちゃいけない気がしたんだよ(苦笑)。僕、終電で先に帰ってしまったし。
 と、思って彼のブログを見たら「旅人をもてなすのは難しい」と書いていた。ね、そうだろそうだろ〜〜。ちょっとホッとした。

 家に帰ったら、総合格闘家の友人、大山峻護くんからチャンピオンになったとメールが来た。うれしい出来事が二つ重なった。






Posted by いちこ米at 15:01
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2010年09月22日

高遠ブックフェスに行ってきたよ

 私の住んでいる岡谷から車で約1時間と少し、しだれ桜で有名な高遠ブックフェスティバルに行ってきました。昨年は二日間の開催でしたが、今年は一気に1週間に延長。この秘密はなんなのか、気になってしまいました。実は昨年は、芸術館でつくったフリーペーパーを展示させていただいたけれど、催しがあっていけなくて、とっても気になっていたわけです。また“ブックツーリズム”というキーワードが心をくすぐったのと、どうしても行きたいイベントがあったのも出かけた理由です。

 おっと出がけに、お気に入りの本をもっていくのを忘れちゃいけない。






 川辺の臨時駐車場に車を停めて受付へ。自分の選んできた本の魅力をビデオに向かって語ります。これを専用の袋に入れて持ち歩くと、いろいろなサービスをしていただけるというナイスなアイデアなのです。







 でもって僕のもっていた本はなにかというと、「パパラギ」。先日日記に登場した和田誠さんのイラスト入りの豪華版だ(笑)。なんだろうな。自分ががんばりすぎてしまっているときに読むと、そんなにがんばらなくていいんだと思えるそんな本。でも再びがんばろうと思えるんですな、不思議にも。なんていうほどは読んでいませんけど(笑)、まあ手に取れるところには置いてあるかな。






 ここは、ブックフェスのきっかけをつくった北尾トロさんのお店、本の家。お茶も飲める古本屋さんだ。





 二宮金次郎がお出迎え。大にぎわい。





 町のあちこちに露天の古本屋。店員はいないから、据え置きされている箱にお金を入れて行くシステム。脇に座って本を読んだりしている人も多い。





 こんなイベントや





 こんなイベントも。





 銅像にも、高遠ブックフェスのTシャツが着せられている。いたずらではありませんよ。





 途中、お茶でも呑もうと思って、喫茶店に向かうと、なんと定休日。フェスティバル参加店なのだよ。えええええ。今日は暑いぜよって感じなのに。日曜・祝日はお休みって一週間のあいだに二日は休みなのだ。





 こんなに山の上まで登ってきたんだよ。でも、そんな緩さが高遠、ステキだ。






 でもお茶をいただける。この心遣いが高遠、ステキだ。ちなみに名物のローメンを食べようと思ったけれど、そのお店もお休みだったので、露店で鹿カレーを食べました。





 そして私の目的だった、豊崎由美さんのトークショー。豊崎社長の異名をとる彼女は、『文学賞メッタ斬り!』『百年の誤読』『文学賞メッタ斬り!リターンズ』『文学賞メッタ斬り!受賞作はありません編』『百年の誤読 海外文学編』ってな本を出している人。新作小説を毒舌で切り捨てていくことで有名な書評家さんなんですけど、そこには愛があるし、トークそのものももう芸の域だからすごい。

 前に、世界的演出家・蜷川幸雄さんと対談を組んだことがあって、会いにいきたくなったのだ。この日は、「本を選ぶんじゃなくて本に選ばれる自分になろう」「どんな本でも、今面白くなくても、いつか面白く読めるときがくるかもしれないからブックオフとかにすぐに売らないで本棚に入れておいたほうがいい」などのありがたいお話。もちろん渡辺淳一「失楽園」をけちょんけちょんにしたり、夏目漱石「坊ちゃん」の面白解説&世界的素晴らしさなども語ってくれた。

 およそ50人いる参加者は、半分が地元、ほかの街からやってきたお客さんが半分。なるほど本好きが集まる“ブックツーリズム”である。

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Posted by いちこ米at 11:12
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2010年09月18日

一年と10日、たちました

 東京から岡谷市にかえってきて、5月から教習場に通って、8月のお盆あけに自動車免許をとりました。9月から自動車に乗り出して、今日で一週間と10日。やっと初心者マークをはずすことにしました。


 なぜならば、歌舞伎初日に前を走っている車に後ろからぶつけてしまったからです。申し訳なかったし、車も簡単に壊れてしまうし、困った初体験をしました。8月には塩尻の免許センターで講習をうけ、そして昨日は初心講習をうけて、やっと法律的には一応もろもろをクリアしたってわけです。

 ほんとは、もう取ってもよかったんだけど、ささやかなケジメとして、初心者マークをつけていたわけです。

 とったからには、気持ちを改めて走ります。


 40過ぎて免許を取るのはそれはそれはしんどかったです。だって、操作が覚えられないんだもん。マニュアルなんて自信まるでなかったもんね。


Posted by いちこ米at 08:10
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2010年09月13日

谷啓さん逝く

 一度だけ取材をしたことがあった。ミュージカルのときだった。

 正確な言葉はわすれたけれど、トランペットを吹くときの口びるだったか、ほほだったかに力が入らないからもう吹かないんですよね、と。かといって悲しそうに語るわけではないけれど、なんかさっぱり割り切っているようなその表情に、とても残酷な質問をしたような気分になったのを覚えている。「吹かない」ことは、楽器を愛し、演奏にプライドをもっていた谷さんの、本当の才能を披露していた谷さんの生き様を見た思いがした。

 ほんの1時間ほどのインタビューなのだけど、表面だけではなく、もう本当に優しい方なのだということが伝わってくる。何度あってもたった一回の取材だったのに会釈を返してくれる方だった。

 超有名人なのに。合掌。
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Posted by いちこ米at 19:04
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2010年09月12日

ばかだとは思ってもいかずにおれず

 ずいぶん、間が空きました。でもその間、松本の喫茶店に行って、ネタを仕入れていましたからね。ちょこちょことアップしていこうと思っています。思っているだけだけど。できるかな





 先日、イラストレーターの和田誠さんのレセプションに行ってまいりました。しかも日帰りとも言えない短い旅です。3時少し前に特急ででかけて、会場に行って、帰りに40分くらい呑んで、バスに飛び乗るという弾丸ぶり。
 もちろん私にとっては和田さんは、ものすごい巨匠、手の届かない存在なんですけど、私は編集長時代に和田さんの事務所に毎月のようにうかがって雑誌の表紙について打ち合わせをし、時にはインタビューをし、時には芝居のチケットをお取りもした。そんな関係だ。和田さんの表紙になって雑誌のネームバリューもあがったし、勢いもついた。もう足を向けては寝られない。
 その時代にお世話になった、手の届く存在のアシスタントの山本さんが誘ってくださった。山本さんはイギリスに留学していた。山本さんが帰ってきてくれたからこそ、声をかけてくれたので、これはいかにゃいかんでしょう。和田さんにも山本さんにも実家に帰ることを挨拶してなかったから。
 





 今回は、和田さんが就職したばかりのころの、ピースというタバコの広告のイラストを復刻したものが主に展示されている。たばこと塩の博物館。タバコのかっこよく吸う名優たちの映画の一場面、ピースを吸うシチュエーションを面白おかしく描いたイラスト。
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Posted by いちこ米at 08:44
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2010年08月23日

愛知トリエンナーレに行ってきました。

 「なんか、お前、遊びっぱなしやんけ」といわれそうですが、まあそういわれても仕方ないんですけど、どうにも仕事と趣味の境があまりないのがいけないのかもしれません。で、何をしに行ったかと言えばロボット演劇「森の奥」を観にいってきました。

 平田オリザの作・演出、大阪大学の石黒浩研究室のコラボレーション。僕自身は“世界初演”と銘打たれていたロボットが演劇すること自体に興味があったわけではなく、ロボットがどういう存在が物語のなかでどう見えるかを確かめたかったんです。

 その物語は、中央アフリカ・コンゴに生息する類人猿「ボノボ」を飼育する研究室で、サルと人間の違いを研究するロボットと人間たち。会話を通して「サル/人間/ロボット」のあやうい境界線が浮かび上がるというもの。実験に使う側使われる側、人間は何をもって人間なのか、ロボットは人間になりうるか、いろんな疑問が提示されてきました。





 そして、ロボットが、観客にもどこかペット的な存在から始まって、終わるころには研究の同志として成り立っているのを感じることができました。平田さんによれば「ロボットがここまでできるかというのをねつ造している行為」でもあるのだとか。世界屈指のロボット研究で知られる大阪大学だからこそ、過剰にロボットの表現力があったかのように見せることに問題がないか気を使ったそう。


 翌日は、愛知県立美術館と名古屋市立美術館を見学。

 瀬戸内国際芸術祭にもあったけれど、草間弥生の作品がもうインパクト強し。トヨタのお膝元では、車が草間弥生チックに彩られていました。まあ、愛知のトリエンナーレそのものの表紙が草間弥生なんですけど。でも、これって本当は松本がやらなければいけないのでは?


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Posted by いちこ米at 18:39
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2010年08月18日

星空の映画祭に行ってきました


 いつもより少し早く会社を出て、原村は八ヶ岳自然文化園にある野外ステージで行われている、「星空の映画祭」に出かけてきました。松本から上諏訪まで電車で移動、そこから友達の車にのりかえ、一路、会場に向かったわけですが、ろくろく地図でナビができない僕のせいで、山中で迷ってしましました。つーかね、地図の地が小さすぎるんだよね。っていうふうに言い訳しないといけないような年齢になったってことが恐ろしい。やばい。

 友達のがんばりで、開演後少し遅刻して到着した。150人くらいのお客さんがいたかな。


 この映画祭は、2006年まで開催されていたけれど、映画鑑賞をめぐる状況の変化などで中断していたものを、今年になって、地元の若者たちが中心となって復活させたのでした。先日は、役所広司さんがゲストに招かれていました。


 会場はこんな感じ。ライブ会場にもなるようです。ここに巨大なスクリーンを設置して、即席の映画館となるわけです。写真は、スワッシュ!のサイトからいただいてしまいました。菊池くん、貸してくださいね。だって、夜だと様子が分からないから、仕方ないでしょ。また呑みましょうね(私信)







 こちらはちっちゃなちっちゃな映写室と客席。






 いくつかあるラインナップのなかから僕が選んだのは、フランス映画の「夏時間の庭」。八ヶ岳自然文化園の風景にとけ込むような絵が気に入ったことと、1時間45分と尺が短いこと。だってね、案の定ここに着くまでに遭難しかけたわけでしょ。想定内ですよ。帰りはもっと不安ですからね。
 ステキな映画でした。大叔父が遺した貴重な美術品コレクションを守る母が亡くなり、芸術的価値観、家族の懐かしい思い出に彩られた家と美術品をそれぞれの事情から手放さなくてはならなる。さまざまな葛藤が描かれるなか、永遠に変らない大切なものがあって、ちょっと破天荒な現代っ子の孫にもそれが受け継がれていることを感じさせるエンディングは、笑いたくなるけど、じんとするものでした。







 そのテーマは、どこか、この映画祭の復活ともつあがるものではなかったか、そんな思いが心にうかびあがってきました。真っ暗だけど、星空の下、そよぐ風を感じながらの自然の大パノラマを感じさせる空間での映画鑑賞。なんと贅沢な時間でしょう。

 前も書いたのかな。あるもの、あるロケーションを利用して、こうしたステキなイベントを主催することは、ある意味ですごく大事なことなのではないでしょうか。









 


Posted by いちこ米at 14:06
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2010年08月14日

瀬戸内国際芸術祭から黙阿弥オペラへ

 行ってきましたが、結局うしろ髪ひかれながら東京に帰ってきました。翌日に、こまつ座『黙阿弥オペラ』の予定があったからです。

 つまり、井上ひさしさんの追悼も込めて。『黙阿弥オペラ』は、こまつ座作品のなかでも個人的に好きな3本のひとつ。黙阿弥のせりふが、オペラの節に乗るんだと、カルメンの曲で、『三人吉三』の「月も朧(おぼろ)に白魚(しらうお)の」を歌うシーンでどんどん舞台に引き込まれていく。ワクワク度もぽーんと上がる一瞬です。

 そして、知り合いの北村有起哉くん、内田慈(ちか)ちゃんが出演している。とりわけ、内田さんの抜擢には、劇中で捨て子(内田さんの役)を株仲間として少しずつ援助して育てて行く大人の仲間になったかのような気分だった。チケットは完売、当日券も抽選になるから並んだからといって取れるわけではないという人気ぶり。すごい。

 舞台は、辻萬長さん、島田歌穂さんがやった2トップ・バージョンに比べると、アンサンブルで成立している芝居になっていた。ある意味、新作かと思えるような。キャストが小粒になったからとも言えるけど、藤原竜也くんもちゃんととけ込んで。それはそれでいい感じ。と、見ながらだんだん思い出してきたのは、島田歌穂さんがやっている役を演じてるのが、内田さんではないか。歌穂さんといえば、エリザベス女王の御前で歌ったこともある、ミュージカル女優さんですぞ。慈ちゃん、大丈夫か? や、ひいき目ではなく、ちゃんと役としては成立してましたよ。そりゃ、歌穂さんに比べれば圧倒的に歌唱力は下がるかもしれないけど、和装の仕草、オペラの歌唱法、子供から大人になっていく成長ぶりなど苦労の多い作品の中で生きていましたよ、生き生き。
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Posted by いちこ米at 08:50
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2010年08月12日

瀬戸内国際芸術祭に、行ってきました。②

 間が空きましたが、さらに報告。二日目、岡山から、朝、瀬戸大橋を電車でわたる。初瀬戸内海、初四国上陸。
 海がきれいだ。山国に住んでいると、こういう風景は新鮮だ。ま、東京に住んでいても新鮮だ。なんか、博多あたりにいくときは飛行機でいってしまうから、こんな青々とした海を眺めるのはひさしぶりのこと。





 高松駅。またもや、本広監督に出会う。この熱いなか、なぜにこんなに厚着しているんだろうって感じ。日焼け防止? シアターガイドのK嬢母娘とも出会う。高松駅には、私の好きな、椿昇さんの作品「ピー・アール・オー・エム 」(もうひと佐久日は見忘れました)。そして、大巻 伸嗣Lの「iminal Air- core-」。気分が盛り上がってくる。高速艇で直島にいく。





 一応、夜は東京で宿泊を考えていたので(こういうところが貧乏くさいのだが)、直島で家プロジェクトを見て、その流れで反対側の港から豊島へ行こうと計画。見事に失敗するんだけどね。港でまず、わが故郷に異彩、草間弥生の赤いカボチャを観る。青い海を背景に毒々しい赤だ。その隣で、釣り人が、たこをつり上げる。「撮ってもいいですか?」とちょっぴり交流。
 港の目絵の前にあるお店で、たこめしを買い、まずは、 大竹 伸朗の「直島銭湯「I♥湯」」。銭湯の建物に一見脈略なくいろんなものをコラージュ。一見、と意味深に書いたけど、私にもそうとしか見えない。地元のおじいちゃんが入りにくる。ちゃんと営業しているのだ。






 家プロジェクトは、町の家並みを生かしたさりげない展示だったり、建物をアーティスティックに改造したものなどが集まっている。素朴な日本家屋、細い路地が入り組んだ感じがとても、なつかしさを醸し出す。
 一気に写真で見せましょう。といってもアートそのものは、安藤忠雄のとか写真を撮れないものも多いので、主に町並み。



















 のれんが家々にかかっている。これは作家がそれぞれの家にあうものを製作して掲げているのだそう。ところどころにカフェがある。おそらく臨時で、地元のおじさんおばさんが開いているようだ。その看板が、どれもかわいらしい。道案内、会場案内をしてくれるのも、ボランティアさんだ。なんだかトークの面白い人、朴訥な人いろいろで楽しい。

こんなのもいた。




 ベネッセハウスミュージアム、地中美術館をぶっとばしたのに、うまく豊島にいく船がない。いや、行く船はあるんだけど、高松に戻る船がないのだ。あきらめて、再度、高速艇にのって高松にいくことに。

 新潟の大地の芸術祭のときも思ったじゃねえか。こういうのは時間に束縛されずに、現地の時間に身を任せてのんびりして行かなきゃ意味がない。私の貧乏性はそういうところだ。もったいねえ。10月までやっているけどさ……
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Posted by いちこ米at 09:04
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2010年08月07日

瀬戸内国際芸術祭に、行きました①

 瀬戸内の島々で開かれている、現代美術の祭典に行ってきました。初日は、諏訪から電車にのって、ノンストップで岡山駅へ。ホテルへチェックインして、荷物を置いて、バスと船をのりついで犬島へ。犬島は2回目です。何を見にいったかと思えば、毎年野外に劇場を自分たちで作って公演を行う、維新派を観にいくためです。
 二年に1度は行っています、維新派。もうこれはお祭りなんですね。




 関西弁ラップとも言われる、単語を刻みながら歌うせりふ、白塗りの俳優が、かつての少年少女たち、懐かしいあのころの漂流の旅へと連れて行ってくれます。もう、芝居の構造はいっつも同じ。でも、どうしても見たくなる。見たくて出かけずにはいられなくなる。
 開演前、屋台をめぐるのが楽しい。ノーバディーズのゆるいライブを見ながらビールをごくごく。完璧に出来上がっている。いつもはね、寒さ対策で呑んでいくんだけど、今回は真夏。ちょっと呑み過ぎ。










 そして、さらに非日常の世界へ入っていくように、長い長い橋を殉教の旅に出るように歩いていく。









 おっと客席には、「踊る大捜査線 the movie 3」が公開中の本広監督もいるぞ。五反田団の前田司郎くんもいるぞ。前シアガの編集長夫妻もいるぞ。なんかそんな風景に笑えてくる。





















 劇場はこんな感じ。

アジアを旅する物語。旧き良き時代の、アジアと日本の共存の物語。前の週に行った友人たちは、なかなか夜も暑かったと言っていたけど、この日は夜風がさわやか。この芸術祭を仕掛けている、T嬢に偶然出会い、ご挨拶。この方は、新潟での大地の芸術祭もかかわっていて、さらに知り合った流れで、うちの劇場の芸術監督の要望でヌーボーシルクのパフォーマーをいろいろ紹介してくれた人。ぜひ、諏訪でも、こんな芸術祭(むしろパフォーマンス系かな)を一緒に仕掛けたいものだ。さらにもうひと呑みして、再び船にのって、バスにのって岡山駅へ。

 この日のホテルは安かった。きれいだし、朝ご飯も食べられて、コーヒーサービスもあって、3800円。シンフォニーホールのすぐ脇だ。










 6400人もの踊り手が集まる、「桃太郎祭り」の余韻のなか歩いていくと、面白いもの発見。「幹部」って……




Posted by いちこ米at 23:56
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2010年07月23日

小布施でワイン

 午前中に、仕事をちゃちゃっと終わらせ、って前日までに終わらなかっただけなんですけど、小布施にいく。初小布施。いつか、ぶどうの木のオーナーになりたいとずっと思っています。

 昨今の気候変動で、長野県のワインは注目の的です。その代表が小布施ワイナリーで、恵比寿には日本のワインの専門店があるんですけど、そこでも人気です。ここまで書くと何か重要な目当てがあって出かけたように思えますが、単に試飲しただけです。7種類くらいあるのを順番に呑んできました。すべて、
 とっても小さな蔵ではありましたが、美術館のショップみたいで、なんかとっても満足感がありました。友達がいいます。「小布施はとってもイメージ作りがうまく言っている」と。そう、そういうものはとっても大事なんだと思う。もちろん、そのイメージに導かれてきた人びとに満足感を持っていただける実体も大事なんだと思うんですけど、なによりも導くためのラインに対する戦略がほしい。信州なんてまさにラインの宝庫だと思ったり。そういうイメージが一貫していると、なんだか町もかっこよく見えるものだ。

 この日記を書いている今日は、東京日帰り。東京の夏はやっぱ熱い。立っているだけで汗がにじむ。まとわりつく熱気。それだけで疲れるんですよ。なんだか文章書くのもしんどい気分になる。
 劇団、江本純子『婦人口論』見たかった。



Posted by いちこ米at 23:12
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2010年07月21日

ボランティアの極意

 プチ打ち上げ。ごちになる。

 任せたならば、徹底的に任せる。中途半端に口を出さない。これが難しい。


 いい意味でおせっかいな人がいないと、街は活性化しない。おせっかいは面倒くさいけど、物事が動くきっかけになる。私の知っている限り、去年の4月からだから大したことはないが、信州にはおせっかいがいっぱいいる。このブログサイトをつくった、クサマさんもそうだ。


Posted by いちこ米at 00:03
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